監督・ナレーション 河瀨直美
音楽 ハシケン
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一年を通し雲海に包まれる天空の国、野迫川村。
奈良県の西南端に位置し、北部には高野山がそびえます。
村を囲む1000m級の山々を庭のように駆けまわっていた少年が今、津田林業の三代目として祖父・父の志を受け継いでいます。 きつい、しんどいと思われがちな林業を、「山仕事はかっこいい」というイメージで広めたいと語る津田一馬さん。先人たちが大切に育ててきた木に感謝しながら伐採し、植え、次の世代へ託す――そのサイクルを大事にしたいと山へ入っていきます。
そして、消えかけていた野迫川村のわさびを守りたい、という父の遺志を継ぎ、わさび栽培も手掛けています。伯母子岳から流れくる清らかな水のもと、植え付けから出荷まで2年近くかけじっくり育てられるわさびは、香り豊かで身もしまっています。
「野迫川村が好き」という気持ちで、村の自然と向き合う津田さん。その山々には、祖父と父の面影と、継承されてきた道が浮かびあがります。