監督・ナレーション 河瀨直美
音楽 ハシケン
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日本三大人工美林の1つで、高級ブランド材である吉野杉。
奈良県吉野地方で栽培され、杉職人のはじまりは500年前まで遡る。
吉野杉の植林の特徴は、「密植」と呼ばれる植栽を採用していること。
1haに1万〜1万2000本を植えるそうですが、これは他産地の約3倍。
密植することで、木々は互いに競争し、上へ上へと育つのだといいます。
また、木々の間隔を空けすぎず、何回も間伐を繰り返す「多間伐」。
100年、200年と長い年月をかけ、高い密度でゆっくり育てられた木の年輪は、均一で非常に細かくなっていきます。
「林業は3代というが、杉職人がした仕事は木の中に記録されていくからこそ、恥ずかしい仕事はできない」と語る杉職人。
無形民俗文化財に指定された樽丸を作る職人、カンナで杉の家具を作り、新しい産業の可能性を探す作家、杉が人を繋いでくれるという村人。
吉野杉を中心に、そのブランドを世界に届ける人々の息吹は、それぞれの場所で繋がり始めています。