監督・ナレーション 河瀨直美
音楽 ハシケン
--------------------
奈良県の西南端に位置する野迫川(のせがわ)村は、平均標高が700mの山村で、「天空の国」とも呼ばれます。
この野迫川村のほぼ中央にそびえる荒神岳(こうじんだけ)(標高1,260m)の山頂に鎮座するのが、火の神様として信仰されてきた立里荒神社(たてりこうじんしゃ)です。
弘法大師が高野山を開山する際に勧請したとされ、日本三荒神のひとつとして全国各地から信仰心の厚い人々が訪れてきました。参詣者は180基の鳥居をくぐりながら、急で長い階段を昇っていきます。
ようやくたどり着いた境内からの眺望は素晴らしく、特に雲海から昇る朝日の光景は絶景。雲海の景勝地としても知られてきました。
「神様がここまで引っ張り上げて下さった」と感謝する参詣者たちは、新たな力をいただいて、来た道を帰っていきます。
何もかもが便利になり、苦労を忘れてしまった現代。
荒神社は、一つひとつの歩みの大切さを私たちに教えているのかもしれません。