監督・ナレーション 河瀨直美
音楽 ハシケン
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奈良県の中部に位置する吉野郡吉野町。
日本屈指の材質を誇る吉野材の産地、吉野地方にあります。
県内の南半分を占める吉野山地に隣接し、切り出される吉野檜・杉の集散地として製材業で発展してきました。
その吉野町で生まれ育った坂本尚世さんは、吉野檜と吉野和紙で照明を作る、あかり作家。
「あかりは心理学」や「ライトテラピー」の考えに魅了され、「人に癒しを与える灯りを作りたい」と活動を始めました。
吉野の夕日の色を想わせるオレンジの光を作り出そうと辿り着いた素材は、身近にあった吉野檜のかんなでスライスした素材。
薄く削られた木の透け感が生み出すやさしい灯りの揺らぎが、リラックスとともに心地よい眠りを誘います。
200年のサイクルで作られるという吉野檜。
恵まれた風土と環境の中で、自分の代ではなく、子からまた子へ心を渡していくように手塩にかけて育てられます。
その伝統を新しい形に変えて受け継いでいく若手作家の想いがありました。