監督・ナレーション 河瀨直美
音楽 ハシケン
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大和平野の東方、奥深い山と渓谷の続く室生の地は、太古の火山活動によって形成された室生火山帯の中心部で、古くから神聖な地として崇められています。
古寺・室生寺は、女人禁制の高野山に対し女性の参詣が許されたため「女人高野」と呼ばれ、多くの女性に信仰されてきました。
国宝の金堂には、「中尊釈迦如来立像」(国宝)をはじめ、女性的な優しさの漂う「十一面観音菩薩立像」(国宝)や表情豊かな「十二神将立像」(重文)などが並び、参詣者をあたたかく迎えます。
室生寺のシンボルともいえる五重塔(国宝)は平成10年の台風で大きな損傷を受けましたが、地元の人々の協力もあり、ふたたび「女人高野」の名にふさわしい優美な姿を取り戻しました。
桜や新緑、紅葉など美しい四季の彩りや、人々のさりげないもてなしなど、女性の聖地には母に抱かれるようなぬくもりと安らぎがあります。